適正な報酬を得るために!フリーランスの料金設定の基本の「キ」

フリーランスの料金設定

フリーランスで仕事をしていくうえで、料金設定・ギャラ交渉というのは、なかなか難しく、しかし、とても重要なものです。

私は、システム開発・ウェブ制作等を主な業務としていますが、それぞれの案件に「定価」のようなものはないので、自分の報酬は自分で決めなければなりません。

今でこそ、ある程度スムーズに見積を提示できるようになりましたが、思い返してみると、フリーで仕事をはじめた頃(約20年前)は、自分がどのくらいの報酬を貰えば良いのか、毎回かなり悩んでいたように思います。

フリーランスの報酬

では、フリーランスの報酬はどのようにして決めれば良いのでしょうか?

まず大前提として、自分がその金額でその仕事を請けたいと思う範囲内であれば「いくらでもOK!」なんですが、もちろん高過ぎれば受注できませんし、安過ぎれば自分が困ります。

そこで、まずは最低限「自分が損をしない金額」を見極めることが重要になります。
その金額をベースにして、あとは、その時々の状況に応じて調整を加えます。

「実績を増やしたいから、今回は赤字でも受注したい!」と考えるのであれば、その時は思い切って低い金額を提示すればいいんです。

ときどき『一人が安く請けると同業のみんなが迷惑する』とか『この仕事は昔から○○円が相場に決まってる』とか言う人がいますが、全く気にする必要はありません。

フリーランスの側にそれぞれの都合があるのと同時に、お客さんによっても求めるものが異なる(クオリティを重視?値段を重視?納期を重視?)ので、そもそも「適正な金額」というのは案件毎に全く異なるハズなんです。

技術料 = 作業にかかる時間 × 自分の時間単価

フリーランスの料金設定

前述の通り、私は主にシステム開発・ウェブ制作等の仕事をしているので、お客さんに請求するのは「技術料」です。

ですので、費用の見積を依頼された場合には、その工数(作業にかかるであろう時間)を計算し、時間単価を掛けて金額(自分の報酬)を算出しています。

フリーランスと一口に言っても業種は様々なので、報酬の決め方も色々あると思いますが、人件費の部分に関しては、どの業種でも基本的に「時間 × 単価」になるのではないでしょうか。

自分の時間単価はいくら?

では、自分の報酬の根拠となる「時間単価」について考えてみましょう。

多めに見積もって、1ヵ月のうち25日を仕事に費やすとします。

ただ、この日数すべてを「売上に直接結びつく作業」で埋められるハズはなく、お客さんとの打ち合わせや、各種の事務処理等の時間も必要です。

また、もちろん、最終的に受注に至らなかった案件にも時間を使うことになります。

さらに、私のようなエンジニアは、最新技術の習得のために優先的に時間を使う必要があります。これは、小売業で言えば「仕入」にあたる大切な仕事です。

「勉強」をせずに目先の利益を追いかけて「作業」ばかりするというのは、「仕入」をせずに「販売」だけに集中するようなもので、一時的には売上・利益が増えるかもしれませんが、いずれは売る「商品」が無くなってしまいます。これは非常に恐ろしいコトです。

ですので、クライアントワークの実作業(企画・制作や設計・開発など)に充てられる時間というのは、思いのほか少ないと言えます。

仮に(多めに見積もって)25日のうち丸々15日間を「売上に直接結びつく作業」に充てられるとしましょう。1日の仕事時間を10時間とすると、1ヵ月の作業時間は150時間になります。

フリーランスの料金設定

ここで例えば、自分の作業単価を「5,000円/時間」に設定してみると、1ヵ月あたりの売上は「75万円」になります。

これは、あくまで「売上(の上限)」が75万円ということなので、ここから必要経費等を差し引いた額が「所得」になります。

(私のようなIT系フリーランスは、経費が全く要らないように思われがちですが、PCや周辺機器・ソフトウェア等への投資が必要ですし、頻繁に購入する専門書も高価なものが多く、意外と経費がかかるんです。)

しかも、これは、自分が作業時間として確保した150時間が完璧に消化できた場合の計算で、毎月そんなに効率よく仕事が入るとも限らないので、あくまで「全てが上手くいった場合の売上の最大値が月額75万円」ということです。

ここまで、「多め」に計算して都合良く見積もってきた結果がこれなので、普通に考えると「5,000円/時間」の作業単価では厳しいということが分かるのではないでしょうか。

(もし、売上の最大値が月額75万円でも十分だと考える人がいるとすれば、フリーランスには「ボーナス」も「退職金」も「諸々の保証」も何もないということを思い出してください。)

また実際には、お盆休みや正月休みなども取りたいですし、体調を崩してしまった場合や、何かトラブルが起きて緊急の作業に時間を取られた場合などのマージンも含めて考えておく必要があります。

これらのことから、安定して継続的に生活していける収入を得ようと思うと、やはり「最低でも8,000円〜10,000円/時間」あたりに設定する必要があります。

これをベースにして、あとは自分のスキルやその他の要因を加味しながら、どこまで金額を上乗せしていけるかを考えれば良いのではないでしょうか。

(逆に言えば、例えば10万円くらいで請けた仕事に2日も3日もかけていると大赤字ということですね。)

以上、何か少しでも、料金設定に悩むフリーランスの方の参考になれば幸いです。

間違っても、アルバイトの「時給」とか厚生労働省の定める「最低賃金」などを基準にフリーランスの時間単価を設定しないでください!大変なコトになりますよ(^^;

懸命に努力してスキルを磨き続け、自分が希望する報酬で仕事を請けても、お客様に十分なメリットを感じてもらえる・・・我々フリーランサーは、常にそんな存在でありたいものです。